臨床と研究を同時に行い、忙しいのはもちろんですが、論文に書かれている実験手法を実際に自分で行うことができるというのは非常に感慨深いものがあります。また麻酔科が研究をすることに対して理解があることに大変感謝しております。
私は他大学を卒業後に地元である西宮市に戻り、兵庫医科大学病院で初期研修を行いました。そのまま麻酔科・疼痛制御科に入局し後期研修の3年が修了した段階で大学院に進学しました。最近は学位を取得するよりも専門医の方が重要だという雰囲気があり私もすぐには大学院に入学しなかったのですが、せっかく大学病院という恵まれた環境で働いているのであれば、日常臨床の疑問を何か一つでも解消したいという思いから入学を決めました。
大学院生のイメージとしては朝から夜まで研究室に入って実験するという基礎研究のスタイルを想像されると思いますが、私の場合は夜間大学院という日常の臨床麻酔業務からデータを取り解析するという臨床研究でしたので日中は通常通り麻酔業務を行い、空いた時間で研究を行うという形でした。そのため麻酔業務から離れることなく大学院生として過ごすことができ麻酔科専門医の取得もスムーズに行えました。
学位論文テーマは鎮痛モニター(NR)と術後合併症の関係を明らかにするというコホート研究です。鎮痛モニターを用いることで術後合併症を減少できるかもしれないという、外科医だけではなく麻酔科医が患者さんを早く快方に向かわせる一員として寄与すべく現在も研究中です。指導体制については指導教官に質問をするといつでも迅速に対応していただけますし、大学院生が受講する講義では特に統計学が充実しています。
日常臨床業務を行いながら研究するのは忙しいですが、麻酔科・疼痛制御科のスタッフは大学院生をサポートしてくれますので心配せずに大学院での研究にチャレンジされてはどうでしょうか。
私は民間病院で初期研修を終了後に兵庫医科大学の本講座にレジデントとして入局しました。当時プライベートでは結婚したばかりで、慣れない新生活を何とかこなしながらの後期研修はとにかく忙しく、目の前のことを成し遂げていくことだけで精一杯でした。
初期臨床研修期間の選択必須科目の一つとして、2〜3ヶ月単位のローテート研修を行います。