私は大阪市立総合医療センターで初期臨床研修を行い、同センター麻酔科のジュニアレジデントとして3年間勤務しました。以前より疼痛研究に興味を持っていましたが、臨床で術後鎮痛などの患者対応をすることで、より一層疼痛学への関心が高まりました。そこで平成26年に兵庫医科大学大学院に入学し、基礎講座である解剖学(神経科学部門)に4年間在籍しました。
初年度は夜間大学院として入学し、臨床(麻酔)業務をしながら週に1度の研究日で研究をするという生活をしておりましたが、圧倒的に研究時間が足りませんでした。そこで2年次より非常勤医師となり昼間大学院に変更し、週に2日の麻酔業務と4日の研究日を使って研究者としての基礎・論文の書き方を学びました。臨床と基礎研究を平行して行うのは多忙を極めますが、論文に書かれている実験手法を実際に自分で行うことができるというのは感慨深いものがあります。基礎研究というと難解で時間がかかりそうなイメージがありますが、臨床では答えが得られにくいような結果を突き詰められることも魅力の一つです。
大学院卒業後は疼痛メカニズムについてさらなる見識を深めるためにデンマークへ2年間の研究留学に行かせて頂きました。そして帰国後は脊髄刺激療法(SCS)のメカニズム解明に向けて新たな研究を立ち上げました。麻酔科スタッフが研究をすることに対して理解があるのでいつも感謝しております。臨床を中心にやりたいけど研究や大学院にも興味があるという先生は気軽に尋ねて頂ければと思います。
兵庫医大麻酔科・疼痛制御科では毎朝10分間モーニングレクチャーが行われています。狩谷先生を中心として各医局員および研修医がある一つのテーマに絞って勉強会を行い、日々の疑問を解消する場として非常に有効です。また専門医試験に即した内容が扱われることもあり、試験対策として利用することもできます。また専門医試験では、実技・口頭試問といった実際の臨床技能が多数要求されます。当院はシミュレーション設備が存分に整っており、リハーサルをするのには非常に良い環境でした。
現在、兵庫医科大学麻酔科・疼痛制御科医局は若い先生達が多く、切磋琢磨し日々成長を続けております。兵庫医大出身者だけでなく、他大学からも多くの先生達が入局しておりますが、分け隔てなく各個人が自由に伸び伸びと仕事を出来る環境であり、何より医局の雰囲気が抜群に良いところが一番の魅力です。
など動機は何でも構いません。
皆さんの力で兵庫医大麻酔科・疼痛制御科を盛り立てていきましょう。
命に関わる重症な疾患の治療や超緊急の対応を必要とする場合にも迅速に対応できる臨床体制を構築することです。 麻酔をかけるのが難しくて手術ができないと言われる患者さんでも、最高の麻酔を提供して治療が可能になることが麻酔科医として大きな喜びです。
麻酔科は専門医制度が早くから始まっています。医師として一生麻酔科を続けるかどうか不安を持つ人も多いと思います。そういった方のニーズにお応えして兵庫医科大学麻酔科学教室では多彩な受け入れプログラムを準備いたしました。