教授 高雄 由美子

ご挨拶

教授 高雄 由美子

平成30年4月1日より兵庫医科大学ペインクリニック部に赴任してまいりました。私は昭和62年に兵庫医大を卒業し、実に32年ぶりに母校に還ってまいりました。麻酔科は、周術期の麻酔管理以外にも、術後管理やペインクリニックの仕事があります。さらには、麻酔科を極めたのちに、救急医療や緩和ケアなどの道に進む先生もいます。麻酔科の仕事は、医学生時代のベッドサイドラーニングではとうてい経験しきれないバリエーションがあります。私はその中から、ペインクリニックの道を選びました。

教授 高雄 由美子

ここでペインクリニックについてご紹介いたします。ペインクリニックでは、通常の「痛み止め」では取り切れない痛みに対して取り組んでいます。治療としては、神経ブロック、薬物治療はもちろんのこと、脊髄電気刺激療法なども取り入れてます。また最近では、慢性疼痛には心や痛みに対する認知機能が大きく関与していることがわかってきており、公認心理士さんたちにも協力していただき心理的なアプローチも取り入れつつあります。またペインクリニック部は、院内の緩和ケアチームとも密接に協力関係にあります。痛みに苦しむがん患者が、1回の神経ブロックで痛みから解放される姿を目の当たりにできるのは、患者さんにとっては勿論のことですが、われわれにとっても、医師として働いてきてよかったと実感できる瞬間です。痛みはつらい経験です。慢性疼痛の患者さんには、痛みがあるがために、日常生活や仕事、人間関係に支障が起こり孤立する人も多くいます。ペインクリニックでは、われわれが持っている技術や知識を総動員して、患者さんの痛みを和らげ、患者さんの日常生活を取り戻すお手伝いをしています。

このようにペインクリニックは麻酔科の担う魅力ある分野ですが、麻酔科の数は年々増加傾向にあるものの、全国的にはまだまだ人手不足で、ペインクリニックを標榜していない、あるいは機能していない病院が多いのも事実です。兵庫医科大学は、ペインクリニック部として複数の医師が治療に当たっている恵まれた環境にあります。兵庫医科大学で麻酔科を、そしてペインクリニックを一緒にやりませんか。

Our mission & values

教授 高雄 由美子

世の中への貢献と自分自身への努力

皆さん、医師とは素晴らしい仕事です。自分のやっている仕事が、ささやかかもしれませんが、世の中に貢献しているのですから。医療は日々進歩しています。日々新しい発見があり、新しい技術が開発されていきます。これは他のすべてにも言えますが、以前自分が常識と思っていたことが、数年後には非常識になっていることがあります。世の中はどんどん移り変わります。特に医師の仕事は、患者さんへの最適な治療のためにも、常に勉強が必要で知識をアップデートする必要があります。常に努力すること、しかしその努力は、自分自身を向上させてくれます。世の中への貢献と自分自身への努力、これがわれわれのmissionです。