痛みの臨床研究について

痛みの臨床研究について

 子供から大人まですべての年齢の中の20%以上の人が、なかなか治らない慢性痛を持っています。様々な治療法を行っても、なかなか治らないのはなぜでしょう。

 たとえば辛い味が好きな人もいれば大嫌いな人もいます。他人に何か言われて、とても憤慨する人もいれば全く気にならない人もいます。人の顔や性格がそれぞれ異なるように、外からの刺激に反応する神経回路も、人によって異なるはずです。

 痛みの種類は、侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、心理社会的疼痛、またノシプラスティックペインなど様々な病態があると考えられています。侵害受容性疼痛や神経障害性疼痛治療で使う薬剤もガイドラインで決められていますが、実際は、予想した薬の効果が得られない患者さんや、予想外の効き方をする患者さんがおられます。神経ブロックや認知行動療法もその効果が的中するのは50%以下です。慢性痛はなかなか治らないのは、痛みの種類に対する治療効果を確実に予測できないことが大きな原因です。しかし、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

 それは、「同じ痛みの種類でも、生体の反応はそれぞれの患者さんで異なる」からだと考えます。動物実験で効果がある薬が、実際の慢性痛の患者さんで効かないことはよくあります。このような視点で、私たちは、慢性痛や手術に関わる痛みの研究を行っています。